外国の経済を知る

ユーロの特徴

ヨーロッパの標準通貨ユーロ。
全世界で米ドルに次いで2番目の流通量を誇るメイン通貨です。
このことから、米ドル・ユーロ・日本円の3つを世界3大通貨といいます。

FXでユーロと聞いてまず思い浮かぶのはユーロ・ドルの組み合わせ。
アメリカや欧州のトレーダーのメイン通貨で日本でもほとんどのトレーダーがこの通貨ペアでトレードを行っています。
ユーロ・ドルの組み合わせは比較的ボラティリティ(変動幅)が大きく、テクニカルに忠実な動きをするという特徴があります。
アメリカ・ヨーロッパの機関投資家がシステムトレードで扱うことが多いため、規則的な値動きをするということですね。
ただ、アメリカ・ヨーロッパはこの数年、経済危機に揺れています。
ヨーロッパだとギリシャショック、アメリカだと経済の崖というキーワードはFXをやっていない人でも知っていますよね。
こういった事情から市場は常に緊迫しており、特に経済指標時にはテクニカルに逆らった大きな動きをすることもありますので、指標発表時にポジションを持つ場合は注意が必要です。

日本のトレーダーにユーロ・ドルと並んで人気があるのがユーロ・円の組み合わせです。
ドル・円よりボラティリティが高いため、特にスキャルピングやデイトレードなど、比較的短期のトレードに使われることが多いようです。
ポンドの絡んだ通貨だと大きすぎて怖いけれど、ドル・円だと動かなすぎるという人にはお勧めです。
ただし、ユーロ・円はユーロ・ドル・円の3通貨が絡む合成通貨です。
ユーロ・ドルやドル・円より動きが複雑になりますので、しっかりとチャートを読める人向けの通貨ペアであることを忘れないようにしたいものです。

冒頭で少しだけ触れた、ヨーロッパの経済状況についてもう少しだけ詳しく踏み込んでみましょう。

現在ニュースとして取り上げられているだけでも、ギリシャ・スペイン・イタリアはこの数年、深刻な経済危機を迎えています。
特にギリシャは欧州中央銀行やIMFが多額の支援を行っています。
にも関わらず、資金は足りず税収が上がらないため、フランスやドイツなどが自分たちの税金を他国に使うことに対して不満を持っています。

フランスやドイツも無尽蔵にお金を持っているわけではありませんので、いつかは我慢の限界が来ます。
その時が来てもなお、ギリシャの経済状況が改善していない場合、債務不履行(デフォルト)が起こる可能性があります。
つまり、国の倒産です。

ギリシャのデフォルトはギリシャだけの問題ではとどまりません。
フランスなどは多額の国債をギリシャから購入しており、ギリシャがデフォルトになってしまうと、経済的に大きなショックを受けます。
そうなるとヨーロッパ各国の企業の株が暴落、というように波状的に経済不安が飛び交うことになります。

このような理由から、ユーロが絡む国の動向は世界中のトレーダーに注目されているのです。